IQと実生活の能力にはどのような関連性があるのかを調査した。標準偏差は16とする。
最重視すべきことは、実際に受験したIQテストの点数そのものではなく、その人物の実生活の能力からIQを逆算することである。
High IQ Societies の会員には、IQテストで極端に高い点数を持つ人物もいるが、それはIQテストを受験した結果としての点数にしか過ぎず、そのことによりその人物がどれだけ知的であるかは完全な未知数であるため、IQテストの高得点者が必ずしも知的な人物であることを意味しない。
例えば、現在人類最高の知性を持つ人物の1人である理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士に、実際にIQテストを受験させても、185の数値を出せる可能性は低いと思われる。
しかしながら、彼の今までの人類に対する学術的業績から判断し、彼のIQを185と推定するのは、IQテストの点数そのものよりも、はるかに信頼性は高いのである。
同様に、ノーベル賞受賞者に実際にIQテストを受験させても、160の数値を出せるわけではないが、その人物の業績から判断し、ノーベル賞受賞者のIQを160と算出することは、IQテストの点数そのものよりも、はるかに正確であるといえる。
つまり、どんなにIQテストの点数が高くても、その人物の実生活の能力や業績が高く評価されていないのであれば、その人物は真に知的であるとみなすことはできないのである。
その人物の実生活の能力や業績は、IQテストの点数そのものよりも、はるかにその人物の知的能力を正確に表すといえる。
親や教育者の中には、自分の子供や生徒がIQテストで高得点を取ると、「神童、天才、才能がある」などど騒ぎ立てるが、それはIQテストで高い点数を取得しただけであり、その子供が天才であることを示すわけではない。
アメリカでは、ギフテッドチルドレンが飛び級で大学に入学するニュースが世間を騒がせるが、どんなに早熟であろうと、亡くなるまでの業績が高く評価されていなければ、真の天才ではないのである。
10歳で大学を卒業したが業績が高く評価されていない人物と、大学を出ていないが業績が高く評価されている人物は、後者の方がはるかに天才であるといえる。
同様に、IQテストで196の数値を持つだけの人物と、IQテストで平均的な数値でノーベル賞を受賞した人物では、後者の方がはるかに天才なのである。